こんにちは、やまし(@yamacastle3)です。
以前から言っていた二つ目の仕事は、YouTube漫画でした。
イラストしか描いたことなかった私が、今の画力のままでなんとか漫画を書き終えた方法を備忘録がてらまとめました。
私のようなイラストしか描いたことないけどYouTube漫画に興味がある方の役に立てたら嬉しいです。
- YouTube漫画サンプル
- 漫画を描くためにやったこと
- 時短に役立った本
- まとめ:イラスト描きがカラー漫画を描くためにやったこと
- 漫画に挑戦してみた結果
- おまけ:CLIP STUDIO PAINT PROで漫画を描いて思ったこと
YouTube漫画サンプル
スカッと系ではなく、日常で起こる事件や問題を扱う漫画を描きました📺
いろいろあって先延ばしになっていましたが、3月の時点で納品していました。
まだYouTube動画自体は投稿されていませんが、一足先にサンプルとして公開します。
※シナリオライターさんの著作権もあるので、一応セリフは消しています。
このような漫画を計35枚描きました。
動画が投稿されたらまたお知らせします。
漫画を描くためにやったこと
イラストと漫画の違いっていろいろあると思います。
真っ先に思いつくのは、
- ストーリー(プロット・シナリオ・台詞)
- コマ割り、台割り
など、イラストには無い要素が漫画にあること。
しかし幸運にも? 今回はシナリオと台割りはシナリオライターさんが担当、私はそれを漫画に起こす作業を担当しました。
また、コマ割も1枚につき1~2コマ程度なのでそこまでコマ割で悩むことはありませんでした。
なので私が一番問題視(というか困った)のは、描く絵が多い=1つの要素に時間をかけられない! ことでした。
- 人物一人+簡単背景のカラーイラストの場合、最低でも10時間かかる(もっとかも?)
- 今回のページ数=35枚で、1枚に最低でも人物1人は描かなければいけない
- 今までのやり方だと35×10=350時間??
- それに背景もある………?
- 納期は1枚イラストより少し長いくらい……
⇒イラストのような塗りは無理!! と早々に気がついたので、他のYouTube漫画を見て塗りを考えました。
塗りの時短を考えた
見たことある方は分かると思いますが、YouTube漫画はそこまで書き込みを求められていないと感じました。
ストーリーがメインなので、本の漫画も同じ側面はあるかと思います。
が、動画で流れていく&音楽や声が入るため、本以上に1つの絵で魅せる必要が無いのかなと🤔
結果、以下のように塗りを時短しました。
- 一影のみ
- レイヤー分けは単純にする(例:影は乗算レイヤー1枚で作業)
- 髪のハイライトはハイライトブラシをDLし、一筆で終わるようにする
- 使えるブラシはなんでも使う(雲、野菜など)
- サブビューに主人公のイラストを配置して、色をいつでもスポイトできるようにする
- 登場人物の色をカラーパレットに登録する
- 目の塗りを一色で済ませる⇒レイヤー設定だけを変えて目の中を塗っていく
※ハイライトは明るい色を使いました。
目の塗り方:時短Ver.
7がわかりにくいと思うのでちょっと解説。
1枚イラストの目はこんな感じ▽
この塗りは手間がかかるので、漫画の登場人物全員をこれで塗るのは無理。
そこで漫画の目はこんな感じ▽にしました。
雰囲気は似ているけど、これならハイライト以外を一色で塗れます。
▽レイヤー設定はこんな感じ▽
- 下の明るい部分⇒覆い焼き(発光)かスクリーン
- グラデ⇒乗算レイヤーにエアブラシ
- 瞳孔⇒乗算レイヤー
- 下塗り⇒通常レイヤー
あとはそれぞれの濃度をいじって良い感じにします。
単色+ハイライトでも良いと思うのですが、私の場合、目を諦めると一気にクオリティが下がります😇
なので時間をかけず情報量を増やせないか考えた結果です。
※線画で勝負ができないのです……言わせんなよ…
この方法が意外に時短になりました。
色を選ぶのって結構時間かかるんですよね。
塗り以外の時短を考えた
- CLIP STUDIO PAINT PRO の漫画機能・パース定規を勉強する
- 漫画表現について学ぶ
- デッサンの修正を少なくする
- 一コマの構図をさっさと決める
これらを念頭に置きました。
具体的な方法としては
- 資料(写真・漫画)を集めまくる
- 本で勉強する
こうして書くとイラストの事前準備と同じですね。
ただ1に関しては、イラストと違い描きたい構図やポーズのものではなく、そのシーンにあったものが必要になります。
具体的に必要な資料の違いは、
- イラスト🖼→見栄えがするもの
- 漫画📖→状況がきちんと伝わるもの
だと考えました。
なので多様な資料を「質より量」のイメージで集めまくりました。
●●というシーンで人物はどういう表情をするのか、どういう構図で描かれているのか、背景エフェクトはどういうものかを参考にラフを描きました。
意外な盲点:漫符と描き文字
ポーズや構図は数点写真を集めればなんとかなりました(多分)。
ですが私の中で、意外にも盲点だったのは「漫符&描き文字が分からない」です。
◆漫符
漫符は、以下のような人物の感情や雰囲気を表す記号です。
▽モヤモヤ▽
▽ワイワイ▽
その他、汗マーク💦や怒りの4つ角💢みたいなやつです。
◆描き文字
状況を表す、擬態語・擬音語です。
漫画はよく読むので理解していると思ってました。
ですが、いざ自分で描こうとすると表情に合う漫符や描き文字、そしてそのサイズに迷う迷う………😂
「LIN○のメッセージ受信時の音って、シュパッ? ピロン?? どんなんだっけ??」となりました。
こんな感じだった気がする………? と手探りでやってると時間がかかりすぎる!
なので、
- ちょっとでも迷ったら似たようなシーンを即検索
⇒漫符が決まったらASSETSで素材やブラシを検索、惜しみなく活用
これを念頭に作業しました。
CLIP STUDIO PAINTのASSETSには、漫符素材や用ブラシなどがたくさん公開されていて、とても助かりました。
次は2で、今回使った本を紹介します。
時短に役立った本
◆クリスタ機能
描いたことがなかったので、漫画用の機能が全然分かりませんでした………。
こちらの教材のお陰で、だいぶ使えるようになりました。
CLIP STUDIO PAINT 必携 困ったときに開く疑問解消のためのヒント集
◆ポーズ集
女の子のポーズ集がなかったので、こちらも買いました。
キーワードでググっても選定方法が悪いのか、これと言ったポーズが見つからないときに、ぱらぱらーとめくって探せるのが良かったです。
デッサンに関してもすぐに上達しないので、資料を見て描く! を徹底した感じです。
◆質感を出す
ファンタジー風景の描き方
こちらに付随していたブラシをめっちゃ使いました。
雲や壁など、重宝しました。
まとめ:イラスト描きがカラー漫画を描くためにやったこと
以上を実行した結果、なんとか納品までこぎ着けました。
なので初心者はまずこれを実践すればなんとかなると思います。
こうやって言語化するとイラスト描くときとそう変わらないですね。
当たり前ですが、イラストと漫画は違います。
でもまとめてみると似通った部分がある。
イラスト描きが始めて漫画を描く際には、イラストの技法を漫画にどう応用するか?を考えるのが大切なんだなと思いました。
コマ割がほぼないYouTube漫画を一回描いただけで、これだけ考えることがありました。
継続してイラストと普通の漫画の両方を描いてらっしゃる方は、もっと多くの気づきがあるんじゃなかろうか。
お話を聞いてみたいです。
漫画に挑戦してみた結果
最初はどうなることかと思いましたが、クリスタの機能を始め学ぶことが多く、新天地を開拓(開墾?)した実感があります。
なにより1作描き上げたぞという自信が付きました。
ただやはり短時間でいろんなポーズを描くので、基礎的な画力や経験が物を言うなとちょっと凹みました😇
がんばろ。
しかし操作に慣れてくると思っていたより楽しかったので、また描きたいです。
イラストだけで頑張っていこうと思っていたのですが、今後はYouTube漫画でもお仕事もらえたら良いなと思い、以下のサイトの活用を考えています。
これらのサイトでお仕事受けたことがある方は、感想教えてもらえると嬉しいです。
今回は向こうからお声掛けてくださいましたが、次回からは自分で動こうと思います。
おまけ:CLIP STUDIO PAINT PROで漫画を描いて思ったこと
CLIP STUDIO PAINT PRO ではやはりページを一括管理できないので大変でした。
10ページくらいなら良いと思いますが、35ページはいろいろ面倒でした………。
あっち戻ってこっち開いて、次はこっち開いて~と面倒くさいw
その他、使えない機能もあったりして「う、う~ん」となったりもします。
定期的に漫画仕事を受けられそうなら、CLIP STUDIO PAINT EXの購入も検討しようかなと。
あと、普通の漫画も描きたいし、長いGIF動画も作りたい。
※CLIP STUDIO PAINT PRO だとGIF動画に使えるコマ?の制限があるので。
ではまたー。
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